【泣ける話】血だらけのその手 ~ごめんね。帰省させなきゃ良かったね。~

【泣ける話】血だらけのその手 ~ごめんね。帰省させなきゃ良かったね。~

彼女は普段、あまり喜怒哀楽を表さない姑とは「通じ合っていない」と感じていました。

けれど、突然に未曾有の大災害が襲ってきたその日、彼女は姑の真の心根を目の当たりにするのです。

 

以下、本文です

結婚当初、姑と上手く噛み合わなくて、会うと気疲れしていた。

意地悪されたりはしなかったけど、気さくで良く大声で笑う実母に比べ

足を悪くするまでずっと看護士として働いていた姑は、喜怒哀楽を直接表現せず

シャキシャキ・パキパキ黙々って感じで、ついこっちも身構えてしまっていた。

何となく「私、あまり好かれてないな」と思う時も有って、当たり障りなくつき合っていた。

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その年は、私が秋に二人目を出産した事もあり、混雑を避けて一月中旬に帰省する事になった。

そして早朝、今まで感じたことの無い揺れと衝撃を感じた。阪神淡路大震災だった。

朝釣りに行くという夫達の為に、お弁当と朝食を作っていた私と姑は立っていること出来ずに座り込んだ。

食器棚が空いて、次々と皿やグラスが降ってきた。

名前を呼ばれた気がして目を開けると、姑が私に覆い被さっていた。

私を抱きしめる腕も肩も頭も血が出ていた。

夫と舅が子供達を抱いて台所に飛び込んできて、私達を廊下に連れだしてくれた。

歪んでなかなか開かない玄関ドアを開けると、街の景色は一変していた。

義実家はマンションの高層階だったが、エレベーターは止まり、階段にはヒビが入っていた。

呆然とする間にも、大きな余震が襲ってきた。

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